先週ソニーとフェリカが開催したイベントに関連して、
各種Webニュース等でも取り上げられていた。
ソニー、ウエアラブルで決済 「小型フェリカ」開発|日本経済新聞
iPhoneでも「おサイフケータイ」を実現?!、ソニーとフェリカネットワークスが新技術や新コンセプトを披露
上記のようないくつかの記事では、
あたかもiPhoneでもおサイフケータイが使えるかのような見出しになっており、
Webメディアとしてはクリック率を上げるために
目を引く見出しにするのは定石なのでしょうが
大変まぎらわしいというか誤解を生むのではないか心配だ。
実際はiPhoneにFeliCaチップが搭載される訳ではなく、
恐らく今後もiPhone6だろうがその次世代端末だろうが、
アップルは日本市場のためだけにFeliCaには対応させないと思われる。
じゃあiPhoneでおサイフケータイとは何事かと、
簡単にメモだけ残しておく。
下記はソニーの公式Webサイト。
新たなビジネスとライフスタイルの創出を目指して
非接触IC技術FeliCa(フェリカ)の最新技術・商品・サービスを披露
ソニーは、電子マネーサービスやポイントカードを複数格納でき、Bluetoothによる通信機能を備えて、非接触ICカードでありながらネットワークにつながるインタラクティブなICカードの商品化を目指します。カードサイズながら、液晶画面やタッチユーザーインターフェースがあり、カード単独で残高や利用履歴の確認ができるほか、
カードをスマートフォンとBluetoothで接続することで、おサイフケータイ以外のスマートフォンユーザーも、このカードを介しておサイフケータイ機能を活用できるようになるのがコンセプトです。
ようは、Bluetooth通信可能なカードを製品化して、
iPhoneのアプリからそのカードにBluetooth接続をする事で、
クレジットチャージなどの各種操作を行うというもの。
つまりリーダライタにタッチするのはiPhoneではなくカードだ。
ただ、そのカードへのチャージ等の操作をiPhoneから行えるという事。
なんだ、と思う方もいるかと思うが、
私としてはとても思い切りのよい素晴らしい取り組みだと感じている。
下記の記事もとても良くまとまっている。
価格は数千円前半目指す、iPhone連携できる「FeliCaカード」とは
アプリの追加といった操作は、Bluetoothで繋がったiPhone側で行う。カードそのものは、いわゆるクレジットカードと同等の大きさで、なおかつ、厚みはIC対応の運転免許証の2倍になるとのこと。
(中略)
今回展示した「インタラクティブ・FeliCaカード」はスマートフォンとFeliCaを切り離すものであり、これまでの取り組みとは大きな転換を示すものだ。
(中略)
かつてFeliCaが提供できる、とアピールした形を、FeliCa抜きで実現したようにも見える現状だが、眞鍋氏は、モバイル通信で常にやり取りできるおサイフケータイの特性、そして7000万台もの対応端末が存在することが大きなメリットとして、そうした点をアドバンテージにしていく考えを示していた。
iPhoneがFeliCaに対応しないため、
FeliCaに関連するサービスを取り扱う業者はみな
苦戦をしてきたという経緯があるが、
今後もiPhoneがFeliCaに対応する可能性は極めて低いので
その可能性を願うよりは、電話機とFeliCaを切り離して考えれば良い。
日本国内、特に首都圏においてはSuica/PASMOのチャージというのは
生活に密接している行為というか、生活の一部である。
iPhoneユーザーは、Suicaカードを券売機に入れてチャージしていたのが、
iPhoneアプリからクレジットカードでチャージができるようになるという
とても素晴らしい事である。これでSuica/PASMOの決済もより活性化すると思う。
なんとなくおサイフケータイに抵抗のあったiPhone以外のユーザーも
このカード分離式であれば、使いはじめるケースもあるのではなかろうか。
ちなみに、領域を分ける事でWAONやnanaco等の電子マネーも
iPhoneからクレジットチャージが出来るようになると思われる。
最近ではau WALLETとかいう訳の分からない電子マネーも出てきているが
あれは店員にカードを渡して磁気ストライプをこするというもので
非接触ICの電子マネーとは一線を画するものだ。
日本が誇るFeliCaでのスマートな決済が
より広がっていくことを心から願っている。