消費税増税前の買いだめ

知人のベンチャー企業が
「消費税増税前に備品を買いだめしました!!」と、
段ボールの山をfacebook上にアップしているのを見かけた。

会計の一般的な知識があれば分かる事であるが、
消費税増税前に買いだめをする事で法人が得をする事は何もない。

 

その画像をアップしている知人もそれに「いいね!」している人達も
全員アホじゃなかろうかと思いつつ、わざわざ言うのも気がひけるので
影ながらこんなところに吐き捨ててみる。

 

一応、軽くメモをしておくと、
100万円(税抜)の備品を買う場合に
108万円(税込)になる前に105万円で買えば3万円お得じゃん、
という単純な話である。

ただこれは最終消費者など消費税を税務署に納税しない人に該当する事であって、
法人の場合はその消費税差額3万円はただの仮受消費税なので
一旦手元に残るが最終的には税務署に納めることになる。

ようは仮に粗利210万円があり税抜200万とすると10万円は仮受消費税、
100万+消費税8%の108万で購入すると8万の仮払消費税が吐き出せるので
残り2万を国に納める事になるが、5%の場合では余り5万を納める事になる。

仮にその税抜100万円の備品を取り扱っているのがA商店とすると、
105万(5%税込)を受け取ろうが108万(8%税込)を受け取ろうが、
消費税分は納税するのでA商店にとってみても損も得もないのである。

 

ただ法人や商店であっても免税事業者という、
消費税を受け取ったまま国に納めず益税として良いケースもあるので、
もちろんその場合は買いだめはお得である。一般消費者と同じだ。

 

くどいようですが、その知人の会社は免税事業者ではないので
買いだめしても何もお得ではございませんがね。

 

(後日追記)
ちょっと不安になったので念のため顧問税理士に確認したが、
やはり法人は増税前に買いだめしても意味ないとの事だった。