半導体製造装置で世界一位のアプライドマテリアルズが
東京エレクトロンを買収するというニュースが今週話題だった。
せっかくなので半導体業界の事について勉強も兼ねて調べてみたので
備忘録も兼ねてメモをする。
まずは、MSN産経ニュースの記事を読んだ。
日の丸半導体(1)躍進 官民一体で追いかけた夢
日の丸半導体(2)日米協定 圧力が生んだ“管理貿易”
日の丸半導体(3)失われた10年
日の丸半導体(4)再生への試み
ちょっと長いのだが、ざっくり要約をすると、
ラジオや電卓にはじまった日の丸半導体は昭和60年代に頂点に立つ。
(NEC、東芝、日立製作所が半導体売上高で米を抜いて世界ランキング独占)
↓
アメリカが因縁をつけて日米半導体協定が結ばれて様々な制限をされた。
↓
協定で外国製半導体を受け入れる必要があった事もあり韓国側に技術を供与。
↓
次第に半導体事業は総合電機メーカーの異端となり切り離しが加速。
↓
NECと日立はDRAM事業を統合しエルピーダメモリが誕生。
NEC、日立、三菱電機がLSI事業を切り離しルネサスエレクトロニクスが誕生。
↓
日の丸半導体はガタガタ。
日の丸半導体の救済策は“延命措置”に過ぎない?
エルピーダ切り、ルネサス支援に見る視界不良の未来
政府は、汎用性の高いDRAMをつくるエルピーダは救わず、
自動車業界にとって重要なマイコンをつくるルネサスは救った。
政府に救われなかったエルピーダメモリは米マイクロンに買収された。
次に、買収されたエルピーダについてフォーカスしたのが下記の記事。
前社長の坂本幸雄さんのコメントがとても印象的である。
坂本前社長は「できることなら更生法は選びたくなかったし、従業員にも債権者にも多くの人に迷惑をかけた。この1年半、家族を含む皆から冷たい目で見られて、つらい思いをした。でも銀行から資金を入れて会社を生かさず殺さずの状態にして、大幅なリストラを行うことは正しくないと思っていた」と振り返る。
確かに銀行から救済の資金をうければリストラ策は免れなかったでしょうし、
結果的に雇用を維持したというのは英断であったと言えると思います。
その後、DRAMの業績は好調で工場はフル稼働のようであるが、
銀行借入をしていれば米に買収されなかったというのは結果論と思う。
冒頭の東京エレクトロンの話は全然出てきていないのであるが、
半導体「製造装置」なのでちょっと状況が違うみたいですね。
アメリカに買収されたという点は一緒ですが。
ただ、東芝とソニーは半導体分野で好調だと
ちょっぴり明るいニュースも見かけたりしました。
今後も注目して業界動向をウォッチしていきたいと思う。